■第7回 ボウイング / ポルカ (Polka)
ポルカは、アイルランド南部のコーク州とケリー州にまたがる、シュリーヴ・ルークラ地方で、よく演奏されているそうです。この地域では、スライド(Slide)もよく聴かれます。私は、マット・クラニッチの教則本を手にして、まず取り組んだのがポルカでした。軽快なリズムで、親しみやすいメロディーの曲が多いので、取っ付きやすかったのです。でも、ポルカらしいリズム感を出すのは、なかなか難しいです。
今でも、ポルカには愛着があるし、弾いていて、とても楽しいです。

上の楽譜に、ポルカのボウイングのパターンの一例を書いてみました。4分音符分を1ボウイングで弾いています。同じテンポで弓を動かせばいいので、リズムに乗りやすいと思います。ポルカらしいリズム感を出すには、下のように、2拍目と4拍目にアクセント(<)を付けます。一弓の後半に少し圧をかけて、若干後ろに引きずるようにしながらも、軽快に、リズミカルな感じを出せたらいいと思います。このパターンを基本にして、もっと細かく弓を返してアクセントを強調したり、装飾音を付けたりと、いろいろ考えてみると面白いです。
慣れてくると、ポルカはメロディーが調子いいので、ついつい速く弾きすぎてしまいます。ところが、リズムを刻む人は、リールやジグ以上に忙しくて、とても大変なのです。ボーラン奏者やギター弾きのことも考えて、節度あるテンポで、リズム感を大切にして演奏するよう心がけたいものです。
今回取りあげた曲「The Lake of Sligo」は、The
Kilfenora Ceili BandのCD「Set On Stone」から採譜したものです(「The
End of the Plain」のセットの2曲目です)。資料のページで紹介したマット・クラニッチのCDに入っているポルカの数々も素晴しいので、ぜひ聴いてください。また、ケリー州で活躍したフィドラー兄妹、Denis
MarphyとJulia CliffordのCD「The Star Above The
Garter」は超オススメです。リールやジグにも、ポルカに通じるような独特のリズムのノリがあって、興味深い演奏です。
余談ですが、この秋、HARD TO
FINDの関西・東海ツアー中に、京都の『ウッドノート』でセッションした時、山口智さんの、気持ちのいいポルカの演奏を聴けました。山口智さんは、ハンマーダルシマー奏者として活躍していますが、ケリーの音楽に詳しい、素晴しいフィドラーでもあります。この時、ポルカのボウイングが、だいたい私と同じだったので、嬉しくなりました。【abcデータ】(2002年12月10日 記)